僕がいた職種「機甲科」ってところ

自衛隊ってどんなことしてるの?みんな匍匐前進?

元自衛官だと言うと決まって色々な質問をされる。僕は陸上自衛隊に在籍していたんだけど、その陸上自衛隊も職種というカテゴリで細分化されている。

匍匐前進もするけど、みんなが銃を持って最前線で戦うわけではない。そんな自衛隊の職種なんだけど、僕は機甲科っていう戦車部隊に在籍したいた。

自衛隊入隊後の前期教育

自衛隊に入隊すると、まずは前期教育を約三ヶ月間受けることになる。

何をやるかは今後の記事で詳しく書いていこうと思うが、ざっくり言うと自衛隊に関する基礎知識を学ぶ期間だ。

それは、しつけ的なものから始まり、自衛隊に関する法律、そして自衛隊の任務、責務。

自衛隊の節度ある行動、そして陸上自衛隊としての基礎訓練。

たった三ヶ月間が、まるで三年かのような錯覚を覚えるほど、濃厚な期間であることに間違いはない。

そして、ここで苦楽を共にした同期は、一生の友達になると言い切れる。そう!まさに感動の三ヶ月間を体験できる。

高校時代はフラフラ、そしてのんび〜り生きてきた男。将来のことなんか何も考えてませ〜ん!けれども野望は色々ありますよ!

こんなどうしようもない男だった高校時代。

常識?マナー?規律?ルール?節度?なんじゃそれ?こんな男が前期教育が始まって、たったの一週間で見違えるほどいい男になる。

そんな魔法のような自衛隊マジック。

では具体的には一体、どういうことなんだろう!?それを今後は別記事で詳しく書いていく。

前期教育中に部隊配属の職種が決まる!

好む好まざるに関係なく、この職種で君は君の自衛隊生活を過ごしていく。

この三ヶ月間が終わりに近づくと、前期教育終了後の職種決定が近づいてくる。

陸上自衛隊にはいくつもの細分化された職種があり、それぞれ役割分担をしながら、任務を遂行していく。

おおまかに分けると、戦闘職種に分類されるものと、後方支援に分類されるものがあり、もちろん自分の希望も主張できるので、入隊前から職種調査は欠かしたらダメだ!と、言い切っておく。

前期教育中に希望調査が行われ、そこから前期教育の成績、そして適性検査などを経て職種が決定する!

例えば、君のいる前期教育の中隊、もしくは区隊に、偵察隊の枠が一個だけあったとしよう。

そして希望者は10名だと仮定する。

もちろん適性検査で適正のないものは、最初の段階ではねのけられるだろうが、適性検査で三人が残ったとすると、最後に後押しするのは紛れも無く前期教育期間中の成績しかない。

だから真面目に過ごしなさいではないが、希望通りに言った場合と、そうでない場合ではモチベーションが大きく変わる。

希望通りに行かなかった俺が言うのだから、そこら辺は間違いない(笑)

そんなこんなで俺が配属されたのは機甲科

ん?機甲科って何?!陸上自衛隊の戦闘職種に分類される職種。

まず一つは、俺が憧れていた偵察隊。

本当は偵察隊に行きたかったんだよね〜でも、俺の中隊には枠が一個しかなくて、他の区隊のエリート隊員に取られてしまった。。。

そう!入隊する前から憧れてきた、偵察隊!

具体的な理由は全くないが(笑)、ただただ格好良いじゃないか!これしかなかった。

まぁ、俺が入隊するきかっけを作ってくれた「ザ・ロック」の海兵も偵察隊だったからね。。。

そしてもう一つが、戦車部隊。同じ機甲科に所属はしているが、全く別物の職種であって、任務内容も装備も全く違う別職種。

俺は後者の戦車部隊に配属された。

戦車?全く興味ない…マニアでもないし、そもそも戦車って何?!(笑)戦車部隊のある駐屯地探したら、全部田舎だし…四年終わった…帰りたい…辞めたい…

というのも、当時付き合っていた彼女が偵察隊のある地域に住んでいて、まぁ男としても、やはり身近な地域に行きたいっていうのが自然な流れだった。

話は戻るが、職種が決まれば次に気になるのが後期教育の場所!

そう、前期教育期間中に配属される職種が決定し、その後に待ち受けているのはその職種の教育だ。

またまたこれも約三ヶ月間教育を受けるので、前期も合わせると半年の教育期間がある。部隊配属はまだまだ先…

前期教育をそれほど田舎ではない地域で過ごし、電車に10分も揺られれば、大規模都市にも行けた環境だった。

なので、前期教育の最初の期間に、大人の遊びも覚えることができた(笑)

そして判明した後期教育の場所!

静岡県の御殿場市!

彼女の住む地域から軽く800キロは離れている(笑)しかも後期教育の後に配属される部隊もど田舎だ!

っていっても俺の地元だったんだけど…

まぁ結果的に住めば都で、今では第二のふるさとは静岡だぜ?これくらい思い入れのある地になっているから、不思議なもんだ。

今でもたまに静岡に行きたいと、ふとした時に思う。

機甲科の概要

機甲科には二種類あって、1つは僕がいた戦車部隊。そしてもう1つが偵察隊。

同じ機甲科というカテゴリだけど、やること、任務、役割はぜんぜん違う。ちなみに偵察隊の方が枠は少いので(当時)、狭き門とも言える人気の職種。

さて僕が配属された戦車部隊は兎にも角にも戦車部隊。

前期教育が終われば、職種の細部を学ぶ後期教育になるんだけど、戦車も偵察も後期教育は一緒に受ける。というか、後期教育では偵察に関する教育はほとんどない。

偵察隊に所属された同期もみんな戦車操縦に必要な大型特殊免許を取り、戦車の整備、仕組みについて学ぶ。

ちなみに偵察隊は後期教育が終わり部隊に配属され後に、初級偵察過程という偵察専門の教育を更に受けることになる。

自衛隊内ではプチレンジャーと言われるくらいしんどい教育課程だ。偵察隊は常に最前線で行動するから。

後期教育では戦車操縦に必要な大型特殊免許を取得し、戦車の整備を学び、そして戦車に搭載される機関銃の扱い、整備、分解結合などを学んだ。

今は各地の戦車部隊のある駐屯地で後期教育は実施されてるみたい。僕の時は全国の機甲科隊員は静岡の御殿場、駒門駐屯地で合同教育だった。

戦車部隊って結構プライドの高い人が多く、戦車は陸上自衛隊の花形である!っていう自信を持った人が多い。自分の職種に誇りを持てることは素晴らしいことだけどね。

少々暑苦しい部分もあったし、変わり者が多い気もしたけど、自衛隊の適性検査の質はかなりのものらしく、戦車部隊に配属された僕も変わり者だったてこと(笑)。

機甲科の内容についてはまた今後の記事で詳しく書こうと思う。

img via 陸上自衛隊HPより引用